“2017年07月”の記事:1件

ラジオ「音楽とオーディオと○○と」の内容補足説明

FMいちのみや毎週日曜日20:00~20:30(再放送水曜日19:00~19:30)での「音楽とオーディオと○○と」の放送の内容、言葉だけでは足りなかった部分を補足させて頂きます。

(なお、リンク場所の日付は、本当の日付にするとブログ内の順序が乱れるので、過去の適当な日付になっています。これに限ったことではなく、当ブログ全般に言えることではありますが。本当の日付は文章内に書いています。

主な内容

  • H29年6月4日放送  第1回目 音楽を聴く・鑑賞するのではなく音を聞く
  • H29年6月11日放送 第2回目 スピーカーケーブルで音が変わる?(笑)
  • H29年6月18日放送 第3回目 音楽、音の情報量
  • H29年6月25日放送 第4回目 デジタルとアナログ 可聴周波数より高い周波数の再生は必要か
  • H29年7月2日放送  第5回目 可聴周波数より高い周波数の再生は必要か
  • H29年7月9日放送  第6回目 差音だけでなく単音でも可聴周波数外の再生が必要な場合がある
  • H29年7月16日放送 第7回目 6回目の復習とカッチーニのアヴェ・マリア
  • H29年7月23日放送 第8回目 他社の実売価格9800円のCDプレイヤーをケースだけ変えて140万円で売っていた会社!
  • H29年7月30日放送 第9回目 エコーが必要な場合と要らない場合、ノリの良いリズム
  • H29年8月6日放送 第10回目 音の認識 イデア論的もしくはゲシュタルト要因的観点から
  • H29年8月13日放送 第11回目 気が付いたときより前にさかのぼって認識する脳
  • H29年8月20日放送 第12回目 認識と実在 デカルト的観点から 
  • H29年8月27日放送 第13回目 完成された芸術作品であるレコードやCDの再生では音源に色彩を加えては台無しだが、ライブの現場では奏者と一緒に音作りも有り

第4回では「可聴周波数より高い周波数の再生は必要か」について、差音を聴く場合を述べ、第6回では差音だけでなく、単音でも、その音波が可聴周波数で振幅が変動する場合、その変動頻度を周波数とする音を聴くことができると述べました。

これについて補足説明します。

可聴周波数XとYの音が出た場合、その中間の周波数の音(周波数[X+Y]/2)がX-Yの頻度で音の「大きさ」が変動し、それをうなりと感じます(WaveGeneなどのフリーソフトで波形も音も確認することができます)。

これは弦楽器の調弦のとき、うなりをゼロにすれば結果的にX→Yとなるということでよく使われますね。

さて、このうなりの頻度XーYは、「音の大きさ」の「変動(回数)」が1秒間にXーYということで、「周波数が」X-Yの音を聴いている訳ではありませんね。うなりの音自体の周波数はあくまでもXとYの中間(周波数[X+Y]/2)です。

では、周波数の差が大きくなってX-Yもだんだん大きくなっていくとどうなるでしょうか。

うなりがだんだん早くなって音の「大きさの変動」は感じとるのが難しくなり、そのうち、2つの音が分離して聞こえてきます。

が、X-Yが可聴周波数(仮に50~2万Hzとします)となると、今度は、「周波数が」X-Yの音として感じるようになります。

これは、X,Yの音よりもかなり小さい音なので、よほど注意しないと気が付かない場合が多いと思いますが、音の感じ方に微妙に影響を与えている可能性は否定できません。

これはX, Yが超音波でも成り立ち、ラジオの仕組みを知っている方には、一言で次のように言った方が簡単かも知れません。

AM変調された高周波を検波すれば低周波が聴こえるように、可聴周波数で振幅変調された超音波も、耳で検波されて振幅変化の頻度を周波数とする音が聴こえる。

以前より、差音の存在は知られていて、超音波が可聴周波数の差音を生じさせる可能性があり、超音波も音楽再生に必要であるという議論はあったかと思いますが、2つの音の差によらなくても、単音でも、振幅変調していればよいというのが、この回の主題でありました。

20000Hz+20400Hz
これは20200Hzの超音波が400Hzで振幅変調されているのと同義

↓↓

上の図で、耳では超音波の速い動きについて行けず、下に動くべきが遅れているうちに次の音波に下から突き上げられて(つんつんの法則)、Envelope(包絡線:ピークをつないだ概形線)の上側を波形とする音波(下の図)が聴こえます。

この、(恐らく)鼓膜~音の「感知機構の戻りの遅れにより検波されて」振幅変化を音波として感知することが最もインポーイント(important point : 重要な点)です。